電子書籍サービスが突然終了したら、購入した漫画はどうなるのか?
この疑問が頭をよぎると、なかなか買ってみようとは思えないですよね。
過去にも実際にサービスが終了し、読者が困ったケースはいくつもあります。
この記事では、過去に終了した電子書籍サービスの事例と、終了時の対応内容を事実ベースでまとめています。
あわせて、安心して使えるサービスの選び方や、紙との比較ポイントについても整理しました。
ご自身にとって、ぴったりの読み方を見つけたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

イロ
KIDUKE MANGAで、主に電子漫画の疑問や悩みについての記事を担当する「イロ」です。
この記事を読み終える頃には、電子漫画のリスクを理解して、納得した上で読み方を選べるようになるはずです。
電子書籍サービスは終了することがあるの?
電子書籍サービスは、一度購入すれば永久に使えると思われがちですが、実際には終了するケースも存在します。
ここでは、過去に終了した電子書籍サービスの事例と、終了が読者に与える影響について整理します。
実際に終了した電子書籍サービスの例
以下は、実際に終了した電子書籍サービスの一部です。
サービス名 | 終了時期 | 主な対応内容(簡易) |
---|---|---|
Sony Reader Store | 2014年5月 | 楽天Koboへ移行、一部コンテンツは引き継ぎ対応 |
BookLive! for Toshiba | 2022年2月28日 | BookLive本体へ引き継ぎ、ポイント・購入履歴なども移行可能 |
eBook Initiative Japan | 2020年12月1日 | サービス終了、購入済み書籍は閲覧不可に(他社移行なし) |
GALAPAGOS STORE(シャープ) | 2022年9月30日 | 全サービス終了、一部返金対応はあり、閲覧は不可に |
Reader Store(海外版) | 国別に終了 | 日本版は継続中。各国で順次終了し、移行・補償は個別対応 |
サービス終了は決して珍しいことではなく、過去にも複数例が存在します。
サービス終了が読者に与える影響とは?
サービスが終了すると、次のような影響が出る可能性があります。
- 購入済み作品が読めなくなる(特に専用アプリが使えない場合)
- 代替サービスへの移行がない場合、全損扱いになることもある
- 告知期間が短い場合、移行手続きが間に合わないケースもある
特に「DRM(著作権保護技術)」が施された電子書籍は、他社サービスでの閲覧ができないため、移行や保存が困難です。
電子書籍サービス終了時の対応はどうなるの?
サービスが終了する際には、各社が何らかの対応を行います。
ただし、その内容はサービスごとに異なり、移行できた人と読めなくなった人が分かれる場合もあります。
ここでは、主な対応パターンとその違いを見ていきましょう。
1. コンテンツの移行対応があったケース
サービスによっては、提携先への移行措置が取られ、購入済みの漫画をそのまま読めるようにした事例があります。
- Sony Reader Store → 楽天Koboへ移行(一部コンテンツは未対応)
- BookLive! for Toshiba → BookLiveへ移行(会員情報・ポイント・本棚が統合)
こうした対応がある場合、ユーザーは比較的スムーズに読書を継続できました。
2. 移行できず閲覧不可になったケース
一方で、移行先が用意されなかったケースや、技術的に移行ができなかった事例も存在します。
- eBook Initiative Japan(旧:eBookjapan) → 一部閲覧不可、再購入が必要
- GALAPAGOS STORE → 書籍閲覧不可、補償は一部返金にとどまる
このような場合、ユーザーは買ったはずの本が突然読めなくなる事態に直面します。
特に、専用アプリやDRMによって端末や環境が限定されている場合は、移行が困難になりやすい傾向があります。
紙の本と電子書籍の違いを改めて確認しよう
「本を買う=ずっと読める」と思っていると、電子書籍における購入の概念に戸惑う方も少なくありません。
ここでは、紙と電子の根本的な違いを整理してみましょう。
「所有」と「アクセス権」の違い
紙の本は、一度購入すれば物理的に自分の手元に残り、自由に保管・譲渡・再読が可能です。
一方で電子書籍は、「コンテンツを読む権利(アクセス権)」を貸与されているに過ぎず、サービスの終了や契約条件の変更によって、読めなくなる可能性があります。
また、DRM(デジタル著作権管理)によって、コピーやバックアップ、端末移行にも制限がかけられているケースがほとんどです。
この違いを理解しておくことで、後悔のない選択がしやすくなります。

イロ
「電子書籍の漫画を購入する。」と、言うよりも「電子書籍が読める権利を買う。」という認識が必要です。
紙の漫画と同等の価格なのに、何だか納得しづらいところではありますよね…。
安心して使える電子書籍サービスを選ぶには?
電子書籍を購入するうえで、将来的な読めなくなるリスクをゼロにすることはできません。
だからこそ、できる限り安心して使えるサービスを選ぶ視点が重要です。
ここでは、選ぶ際の3つのチェックポイントを整理します。
1. 大手企業の運営かどうか
サービスの継続性を考えるうえで、運営企業の規模や信頼性はひとつの指標になります。
たとえば「NTTグループ」「KADOKAWA」「Yahoo!グループ」「楽天」など、一定の基盤がある企業は、突然の撤退リスクが比較的低めです。
また、仮にサービス終了する場合でも、他サービスとの連携や代替措置を取りやすい土台があります。
2. 引き継ぎやサポートの実績があるか
過去に別サービスのコンテンツを引き継いだ実績がある企業は、いざというときの対応力が期待できます。
- 例1:楽天KoboはSony Readerのコンテンツを一部引き継ぎ
- 例2:BookLiveはBookLive! for Toshibaの利用者を吸収し、スムーズに統合
引き継ぎが可能かどうかは、技術基盤だけでなく企業姿勢にも関わる部分です。
3. オフライン保存やバックアップ機能があるか
一部サービスでは、購入した書籍の端末内保存(オフライン閲覧)が可能です。
これにより、一時的なサーバー障害や接続エラー時でも読書が可能になります。
ただし、DRMで制限されている場合は、保存済みデータであっても将来的に読めなくなる可能性があるため注意が必要です。
購入前に「どこまで自分の手元に残せるのか」を確認しておくと安心です。

イロ
安心して漫画を読める電子書籍サービスについては、以下の記事も参考にしてみてください。
紙と電子どっちを選ぶべき?あなたに合った選び方
電子書籍のリスクを知ると「やっぱり紙が安心かも」と感じるかもしれません。
一方で、電子ならではの便利さや価格面のメリットも無視できないところです。
ここでは、それぞれの特徴を踏まえて、ご自身に合った選び方のヒントをお伝えします。
紙がおすすめの人
- 手元に物として残したい
- 長期的に読み返したいお気に入り作品が多い
- 書き込みや付箋を使って読みたい
- 万が一のサービス終了に備えたい
紙は物理的な所有権があるため、極端な話「一生読める」安心感があります。
電子書籍がおすすめの人
- 少しでも安く、多くの作品を読みたい
- 場所を取らずに大量の漫画を持ち歩きたい
- キャンペーンや読み放題を活用して読みたい
- スマホやタブレットで気軽に読みたい
電子書籍は利便性・経済性に優れており、特に今すぐたくさん読みたい人に向いています。
どちらにもメリットとリスクがあるからこそ、「残したい作品は紙」「試し読みや気軽な作品は電子」といった使い分けも現実的な選択です。

イロ
どちらにもメリットとリスクがあります。
残したい作品は紙で、試し読みや気軽な作品は電子といった使い分けも現実的な選択です。
それぞれの詳しい違いは、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
まとめ:電子書籍のリスクとどう向き合うか
電子書籍サービスは便利な一方で、「サービス終了=読めなくなる可能性がある」というリスクを常に抱えています。
だからこそ、サービス選びや購入方法において、リスクへの備えが重要です。
大手サービスを選ぶ・重要な作品は紙で持つ・事前に保存や移行の条件を確認することで、後悔しない読書ライフにつながります。
電子と紙、両方の特性を理解し、これからも賢く漫画を楽しんでいきましょう!

イロ
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
それぞれの特徴をうまく使い分けて、ご自身なりの漫画環境を作り上げてみてくださいね。
なお、KIDUKE MANGAでは漫画を読むのにおすすめのサービスを多数紹介していますので、ぜひご覧ください。